「また会いたい」と思ってもらえるように、お客様に接するのと何ら違いなく、心を込めて対応をしていく。<株式会社 炭屋旅館>

株式会社 炭屋旅館

京都市中央区で、100年以上続く老舗旅館『炭屋旅館』を運営する「株式会社 炭屋旅館」。昔ながらの技術を現代にも通じるものとして昇華し、見た目も楽しい季節感を感じられる京料理を提供されていて、2017年、2019年、2020年の「ミシュランガイド京都・大阪」では、4つ星旅館にも選ばれています。

そちらの『炭屋旅館』で活躍されるスタッフの求人として、採用活動でどのような応募者対応をされているのか、女将の堀部さんにお話し伺いました。


◎電話ではあっさりと、お目に掛かれることを大事に

当旅館の求人では、WEBや電話、また直接お送りいただくなど、さまざまな方法での応募をいただいています。
新卒の方でしたら学校の方に案内も出していますし、中途採用でしたら求人媒体を利用するなどして求人をしていますので、メールも毎日見ていて、応募があった際に届く通知をチェックするようにしています。

そして、WEBで応募をいただいた際には、できるだけ早くをモットーに、当日中もしくは翌日にはレスポンスしています。
応募以外に「興味はあるが考え中」ということで、興味を示しているという方からの通知をいただくこともありますので、その場合には「応募しませんか」と積極的にメールを送信。
また「応募します」との通知をいただいた場合には、履歴書をお送りいただけるよう返信するか、お電話で一度お会いしませんかということをお伝えしています。

こちらからの返信やお電話でのご連絡をさせていただいてから、本当に応募しようとしている人であれば、お電話をいただくなどのアクションを起こしてくださいます。
その際には、どうしても敷居が高いと思われている方も多くいらっしゃいますし、一大決心をして応募してきていると思うので、緊張をほぐしてあげられるように意識し、質問などはあっさりと、あまり根掘り葉掘り聞くようなことはせずに、一度お会いしませんかということをお伝えします。
まずはお会いしないことには話が進みませんので、お目に掛かれるような雰囲気を電話を通じてつくっています。


◎面接で引き出すのは、しゃべりではなく意欲

面接は基本的に1回、当旅館にお越しいただいて対面でおこなっています。通常は私、女将との面接になりますが、調理に関しては料理長が同席することも。
お電話の時にお話の機会はあまり設けていませんが、お会いした際にはこちらから質問をしつつ、なるべく応募者にしゃべっていただくように促しています。話の中から、意気込みや人となりがとてもわかりますので。

質問の内容としては、志望動機がメイン。志望動機を伺うことで、以前はどんなことをしていたのか、今は何をしているのかなど、ここまでたどりついたその人なりの歴史もわかりますし、そのうえでなぜここに来られたのかということもわかります。

しっかりとお話いただける人もいますし、人によっては言葉少なな人もいますが、しゃべりが選考に影響することはありません。例えば接客の仕事で会話をされないというのは困りますが、自分の事だから話したくないという方もいるかもしれませんし、緊張されているだけかもしれません。
ただ、人それぞれで違いはありますが、意欲があるかないかというのは感じとることができます。身体全体からあふれている人もいますし、あまりお話されない方でも、言葉の端々からそういったものは伝わる。一番難しいところかもしれませんが、そこを汲み取りちゃんと見抜くことを大事に考えています。

また、いらっしゃった際のお出迎えやお見送りでも、「また会いたい」と思っていただけるよう、顔や声の表情をふまえ丁寧に対応しています。そういった意味では、当旅館をご利用いただくお客様と同じような接し方をしていると思います。


◎お互いに惹かれるところがあったと感じれば、さらにアピール

面接終了後には、館内で既存スタッフと会ってお話をいただく機会も設けています。対応するのは希望されている職種に就いていて入社後まだ間もないスタッフ。面接者の立ち位置にできるだけ近いスタッフと話をすることで、自身が入社後に働いている姿はどんなか、どのような業務をしていくのか、どのような心持ちで仕事にあたるようになるか、などといったことがイメージしやすくなると思います。

その後、お帰りをされた後には、お礼を兼ねて「無事に帰宅されましたでしょうか」といったご挨拶のメールを、できる限りお送りするようにしています。特にもう一度お会いしたいと思った方、昨日今日では身につかない『笑顔』をされる方に、その想いを込めてそして伝わるようにお送りしています。難しいことを書いたり考えたりはしません。お互いにスッと惹かれるものがあると思うので、それを大事にしたいと思っています。

そして、少し待ちます。面接後3日ほどの間に、働きたいと思っていただいた人からはお電話をいただいています。内定、内定受諾となって入社となりましたら、試用期間を設けていますのでお互いに様子をみて、合意して本採用というカタチになります。

面接を終えて、一度お帰りになられた後に「また会いたい」と思ってご連絡をいただけるのは、やはりそれまでの選考のなかで「また来てほしい」という心を込めた想いや対応が、しっかりお伝えできているからだと思います。

企業名
株式会社 炭屋旅館
店名
『炭屋旅館』
所在地
京都市中京区麩屋町通三条下ル白壁町431番地
URL
http://www2.odn.ne.jp/sumiya/
事業内容
旅館の運営

京都市中央区で『炭屋旅館』を運営する当社。『炭屋旅館』は、大正初期に創業した100年以上続く老舗旅館です。麩屋町通三条にたたずむ純和風の造りの外観は、この一角だけ別世界となっていて、時代を超えてきたかのようなおもむきに。季節を五感で感じられるよう室内にも工夫を凝らし、幅広いお客様が快適に過ごせる空間づくりをしています。 当旅館では、長い歴史の中で引き継いできた茶の湯の心を大切にし、毎月7日と17日には、夕食後のお客様を茶室にお招きすることがならわしとなっています。利休居士百首の中の歌にあるように、“人をもてなすために最も大切なことは真の心”ということを、お客様をお迎えする心構えとして務めています。 料理は昔ながらの技術を現代にも通じるものとして昇華し、見た目にも楽しく季節感を感じられるよう仕上げ、素材本来のよさを活かした淡泊な味付けの京料理を提供。「おもてなし」とは何かを常に追求しながら、一品一品を手がけ、お客様にお楽しみいただいています。

電話で相談する